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"その先" のスタンダードへ。
未来を見据えた「TENQOO」シリーズに込められた思い。
LEDバータイプのナンバーワンを目指すという目標のもと、お客様の声を聞き理想を突き詰めた先にあったのは、苦渋の決断だった。その決断の先にある、製品化にあたってのこだわりと商品に込めた思いを聞いてみた。
―― TENQOOシリーズの開発は、どのようにしてはじまったのでしょうか。
増田:先行商品であるAQシリーズの発売後、さまざまなお客様からのご意見をいただきました。その意見を汲み上げてAQシリーズを進化させる、という形でTENQOOシリーズの開発はスタートしました。
樋口:お客様からの意見で最も多かったのは、施工性についてです。そこでLEDバーの取付・交換を容易にするためトーションバネを採用し、その形状には徹底的にこだわりました。
AQシリーズでは専用工具を必要とする施工でしたが、このトーションバネのおかげで工具不要でバーを取り付けられるようにしています。バネは指を挟みづらい形状となっており、取付のしやすさ(一旦仮り吊り状態に出来る設計)と程よい装着感を両立し、配線時の作業のしやすさと取付後のガタつき低減を実現しました。そのため一見単純な形状ではあるのですが、完成に至るまで相当な数の試作を行っています。試作にあたっては実際、照明器具の取付けを行う施工会社様にもご協力を仰ぎ、施工試験を行いながらご意見を伺いました。
器具内送り配線時のFケーブルを器具とLEDバー間に挟み込まないようにするなど、施工しやすさ(特に施工時間)にはこだわりました。間違いなく従来品のAQシリーズより早く施工ができる構造になっています。
LEDバーの取り付け(動画)
TENQOOシリーズ
―― LEDバー形状も、AQシリーズから進化しているように見えます。
樋口:LEDバー形状についてはAQシリーズから光の見え方をさらに進化させ、バーの丸みを変えることで光の広がりを損なわずに効率を高めることに成功しています。材料もより高透過・高拡散の素材を採用し、さらに白色と乳白の2色成型※とすることで光漏れを抑えました。
※ 2色成型:色の異なる2つの同種材料を成形する技術
―― 他にはどのような部分が進化しているのでしょうか。
小西:他社製品と異なり、当社のLEDベースライトは電源が器具側に付いています。メリットとしてはLEDバーの低価格化や軽量化などが挙げられますが、最大のメリットは発光部から熱源を離すことができるため、熱による性能低下を防ぎ、高効率化と高い性能維持力が実現できることです。
ハイパワータイプではその利点をフルに活かし、他社の1.3〜1.4倍(9,900lm)の明るさを実現しています。さらにスクエア器具をラインアップに加えられたのも、電源部を器具側に持っているからこそ可能だったといえます。逆にデメリットとしては、将来バーの性能が向上した時にそれに合わせて電源を新しくできないことがありました。そこでTENQOOシリーズでは新たに電源部を開発することで、将来的なLEDバーの高性能化にも対応可能としました。
これによりたとえば、導入した数年後、性能アップしたLEDバーに交換が可能となり、さらにランニングコストをおさえられるという「5年先でも戦える」器具になったと思います。
樋口:電源部を新規設計するということは、AQシリーズとの互換性を捨てることでもありました。迷いましたが、バータイプのナンバーワンを目指して本気でいいものを作るために、思い切って互換性を捨てさせてくれないかと商品企画にお願いをしたのです。
増田:AQシリーズと互換性のない後継シリーズを出すというのは、苦渋の決断でした。最終的には「お客様が本当に望む商品」そして「未来を見据えた商品」を提供することこそが大事である、という結論に達し商品化をすすめました。
―― 今後の商品展開についてお聞かせください。
増田:まずはクリーンルーム用など、蛍光灯からまだLEDへ置き換わっていない用途別分野への拡充を積極的に進めていきます。また2015年7月には182lm/Wというさらに高効率なタイプや、光がつながる連結用の埋込タイプを発売します。
さらに並行して、東芝ライテックらしさを活かした器具の展開をしていきたいですね。例えばよりハイパワーなLEDバーや、LEDバーそのものに配光バリエーションを持たせたラインアップなど、電源を器具側に持つTENQOOシリーズならではの価格帯でフットワークの軽さを活かせる展開ができると面白いのではないかと考えています。
LEDは光の有効活用という意味で、蛍光灯では出来ない特性を持っています。単なる蛍光灯の代替ではない、未来を見据えたLEDならではの器具展開を、このTENQOOシリーズで目指していきたいと思います。
(2015年7月16日公開)
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