ガラスと蛍光体を再利用した蛍光ランプの製造実証試験に成功
〜廃蛍光ランプの再生利用に向け業界初の成果〜

　東芝ライテック株式会社および株式会社ジェイ・リライツは、両社共同により、使用済蛍光ランプ（以下、廃蛍光ランプ）から分離・回収したガラスと蛍光体を再利用した蛍光ランプ製造の実証試験に業界で初めて（※注1）成功しました。

　近年、環境負荷の低減に対する社会的関心は高く、様々な分野でリサイクルへの取組みが始まっています。しかし、廃蛍光ランプを再び蛍光ランプの材料として使うには多くの課題があり、実用に至っていませんでした。
　このような状況の中、両社では2000年11月より、廃蛍光ランプから回収できる有用な資源の再利用について共同研究を進めてきました。 この結果、分離・回収した蛍光体を再生処理し、約30%を再利用（ランプ1本当りの再生蛍光体重量比）した一般白色蛍光ランプ（40Ｗタイプ）を実用化、2002年11月から(株)ジェイ・リライツより販売を開始しています。 また、東芝ライテック(株)では3波長形蛍光ランプへの応用開発を進め、2002年12月に、蛍光体の約90%を再利用（ランプ1本当りの再生蛍光体重量比）した、より性能の高い高周波点灯専用3波長形蛍光ランプの試作品を開発しています。
　一方、蛍光ランプの材料構成のうち、重量比で最も多くを占めるガラス管は、これまで路盤材や植物プランター等に再利用されていますが、再び蛍光ランプへ利用するにあたっては、不純物が混じったガラスカレットをガラス炉に入れると炉を傷めてしまうなどの課題があり、これまで実用化されていませんでした。 そこで両社は、九州電力株式会社、西日本プラント工業株式会社と共同で、スズなど不純物を含む廃蛍光ランプの分別技術の開発、および廃蛍光ランプの処理工程を改良すること等により、蛍光ランプ用ガラス管に再利用可能な、不純物を取り除いたガラスカレットを得る技術を確立しました。 これにより、このたび約17%を再利用（ランプ1本当りの再生ガラス重量比）したガラス管、および約90%を再利用（ランプ1本当りの再生蛍光体重量比）した再生蛍光体を用いた蛍光ランプの製造実証試験に業界で初めて成功したものです。
　今回の試験は、国内で主流の直管形蛍光ランプ2種（ラピッドスタート形（一般）40形と高周波点灯専用3波長形32形）で行いましたが、試験を通じて得た再生ガラスチューブの組成・物性データ等から、ガラス管強度やガラス透過率が従来の標準ガラス管と同等の性能であることを確認しました。また、ランプ寿命、光束維持率など蛍光ランプとしての性能・諸特性についても現行標準品と同等の試験結果を得ています。
　今回の実証試験成功により、蛍光ランプのガラスと3波長形蛍光体をリサイクルした蛍光ランプ実用化への技術的目処をつけることができました。
　今後もさらに環形蛍光ランプなどへの応用にも取り組み、循環型社会の構築に貢献していきます。

※注1：2003年12月3日時点、東芝ライテック(株)調べ。