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高効率なLED器具を、より多くの場所へ。
「コスト」と「カタチ」に挑んだ
LED小形投光器の「技術」と「デザイン」とは。
時に日常的な安心感を与え、また時に昼間と異なる建築的要素を引き出し、ドラマチックに景観を彩る、投光器のあかり。照明業界におけるLED の普及にともない、投光器にもさらなる省エネ効果が期待されている。
今回紹介する「LED小形投光器」は「高効率なLED 器具を多くの場所へ届け、快適な空間づくりに貢献したい…」という思いから開発がスタートし、「技術」と「デザイン」が一体となり実現に向けてチャレンジした。
それは、単に器具に留まらない、新たな「あかり空間」作りへの挑戦だった。
―― LED小形投光器の開発について、技術的にこだわった点をお聞かせください。
石田:開発にあたっての出発点となったのは、「LED 投光器」を今以上に様々なところに使ってもらいたい、という想いです。そのためには徹底したコストダウンによる低価格化と、さらなるサイズダウン化の追求が重要です。
そこで部品点数を減らし、シンプルな構造を追求することで、コストダウンと小形化の両立をはかりました。具体的にはLED 基板をアルミから樹脂に変更することで、従来必要だった絶縁物を無くして構造のシンプル化と小形軽量化に成功しています。
しかし樹脂基板による小形化には放熱問題が重要な課題となります。そこで本体に大型の放熱フィンが必要となり、デザイン部と相談しつつ形状を決めていきました。
LEDS-08901WW-LS9とLEDS-08904WW-LJ9との比較
絶縁処理され、樹脂基板に実装されたLEDチップ
―― デザイン側からのアプローチとしてはいかがでしょうか。
山田:デザイン側としては放熱性能を落とさずに、いかに造形要素を抑えたまとまりあるデザインに仕上げ、建築空間との調和を図るかがポイントとなりました。
本商品は汎用性が高く、開発当初からあらゆる照射方向・照明空間で使用されることを想定していました。そのため、「コスト重視=デザインは度外視」という流れを払拭したく、「コストとデザインの両立」に向けて開発メンバーと連携を図りながら検討を重ねていき、背面も含め全方位360°を考慮しながらデザイン検討を行いました。
最終的に外郭は直線を基調とし、機械的要素になりがちな背面放熱部は空気を感じるやさしい曲線で構成することで、設置する建築物との違和感を軽減し、より多くの空間に調和するデザインに仕上げました。
石田:「空間と調和する」という点には、技術面でもかなり気をつかっています。例えば、ガラス面の縁にはドットパターンを印刷しています。細かいことですが、これにより投光器から発せられる「光の縁」がやわらかくなり、あかるさの連続性を保つことで周囲の空間と調和しやすくなっています。
スリットが美しい背部放熱板のデザイン
前面ガラス縁に印刷されたドットパターン
―― 今後の展開についてお聞かせください。
石田:現在は角形のみのラインアップですが、今後はこれに丸形を加え、さらなるバリエーションをそろえたいと思っています。
そうやってお客様が望む様々なニーズに応え、今までにない場所へも「LED のあかり」を届けていくことで、新たな「あかり空間」が形づくられていくのではないでしょうか。
スリットが美しい背部放熱板のデザイン
前面ガラス縁に印刷されたドットパターン
デザインと技術が連携することで、新たな発想が生まれる。
器具を作ることが新たな空間を作ることへつながる、そう感じられたインタビューだった。
LED小形投光器採用事例「島屋 日本橋店」
重要文化財の指定を受けている店舗の外壁を美しくライトアップ
壁面を照らすLED小形投光器
納入器具:LEDS-08903LN-LJ9(42台)LEDS-04903LN-LJ9(6台)
(2013年3月1日公開)
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