アートライティングのトップページ > ライブラリ > Art Lighting ライブラリ > 稲田桂(いなだ・かつら)プロフィール

Art lighting ライブラリ

稲田桂(いなだ・かつら)プロフィール

舞台照明家

1987年生まれ、埼玉県出身。北海道大学獣医学部卒業。2012年、ライティングカンパニーあかり組入社。
主なオペレート作品は、こまつ座「父と暮せば」、こんにゃく座「森は生きている」。デザイン作品、ルソルナ「春は夜来る」、monophonic orchestra「この町に手紙は来ない」。

編:舞台に携わるようになったきっかけと現在の主な業務を

中学校の時に暇な部活を探したら、演劇部しかなくて入部したのが最初です。役者が楽しくて、高校・大学と続けました。大学の時に役者の才能がないことに気づいて、スタッフをはじめました。手先がそこまで器用ではないし、音楽も詳しくなかったので、とりあえず照明をやってみようと。そうしたら、とても楽しくて。大学の授業をさぼって札幌の小劇場でバイトばかりしていました。就職先を考えた時にこの仕事をもう少し続けてみたい、もっと勉強したいと思い、今の会社に入社しました。 今の主な業務はチーフオペレーターとムービングプログラマーの見習いです。考えなければいけないこと、準備しなければならないことが多くて、毎回反省の嵐です。

編:今までに担当した舞台の中で印象に残っている作品は

入社1年目に担当させてもらった作品は、とても辛かった分とても印象に残っています。出来なくて、泣きながらピンを振っていたので。この仕事をやっていて良かったと思わせてくれた作品があって、1つめはこまつ座・ホリプロの「組曲虐殺」です。名古屋で大千秋楽だったのですが、ラストシーンに向けて劇場の空気が徐々高揚していったように感じて。キャストはもちろん、スタッフ、お客さん全てがこの作品を愛していて、一体感というか熱気というか。鳥肌立ちっ放しで、泣きそうになりました。泣いたらピンが振れないので我慢しましたが。2つめはオペラシアターこんにゃく座の「森は生きている」です。入社1年目からほぼ毎年関わっていて、まともにピンが振れないところから始めて、去年チーフデビューさせてもらった思い入れの強い作品です。小学生や保育園児に観てもらうのですが、子供達の集中力にびっくりします。一緒に歌ったり踊ったり、とにかく楽しそうで、仕事しているこちらがその姿に感動します。舞台の仕事をしていてよかったと毎回思います。

編:照明機器はデジタル化やLED化など変化していますが、10年後、20年後の舞台照明はどうなっていると思いますか?また、照明家の仕事はどう変化していくと思われますか?

ムービングスポットに関しては、LEDになって軽く扱いやすくなってきていますので、どんどん軽くなっていただきたいです。凸やフレネルスポットなどのLED化に関しては、各メーカーの差が今後どうなっていくかだと思います。劇場ごとに明るさや色味が違うとなると、正直大変だなと。劇場設備もLED化に対応しなければならないと考えると、10年、20年よりもっと長い年月で移行していくのではないかと思います。 機材がどこまでデジタル制御になっても、舞台に立っているのが人間であれば本質は何も変わらないと思います。作品に対して、明かりでどのようにアプローチしていくかが仕事だと考えています。仕事道具がデジタル化・LED化してできる表現の幅が増えると思います。

編:舞台照明の仕事を目指す人へのメッセージをお願いします

入社してから何回も会社をやめようと思いましたが、素敵な作品に出会えるとまたやりたいと思ってしまって、気づけば5年目です。しんどいなと思うのも舞台ですが、素敵だなと思わせてくれるのも舞台なので、舞台が好きな人ならがんばれると思います。

商品情報検索リンクアイコンカタログ閲覧リンクアイコン別ウィンドウリンクアイコンPDFリンクアイコン:このアイコンのリンクは、新しいブラウザウィンドウ、または新しいタブを開きます。

本サイトおよび本サイトからリンクする弊社提供サイトでは、ブラウザのアクティブスクリプト(JAVASCRIPT)が有効に設定されていない場合、正常な表示や動作とならない場合があります。