一般照明用白色LEDは、青色LEDと黄色の蛍光体の組み合わせで構成しており、分光分布は図1に示すように2つのピークを持つかたちをしています。過度の青色光は網膜障害を生じるリスクがあることがわかっており、相対的に青色光の多いLED照明の使用を危惧する声があります。
しかし図2に示すように、同じ色温度のLEDと蛍光ランプを、同じ照度で比較した場合、青色光の量は大きく異なりません。具体的な数値の比較では、昼白色(5000K)のLEDが青色網膜障害に与える影響度を1とすると、同図3波長蛍光ランプは1.01とほぼ同等となり、LED照明の青色光による網膜障害リスクが特に高いわけではないことがわかります。JISにおいても「ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性(JIS C 7550)」で青色光網膜障害リスクの定量評価法が定められています。※
青色光による網膜障害の実効放射輝度LBを算出し、100以下であればリスク免除グループとなります。
表1は弊社の代表的なLEDベースライトの青色光による網膜障害の実効放射輝度LBを示します。LBの値は18であり、リスク免除グループに該当します。
図1 照明用白色LEDの一般的な分光分布図
図2 等照度のときの各種光源の分光分布図(5000K)
表1 LED照明器具の青色光による網膜障害の実効放射輝度LB
製品名 | 型名 | 光色(色温度[K]) | 光束(lm) | LB(W/m2/sr) |
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TENQOO直付40形スクールソフト | LEKT420693N-LS9 | 昼白色(5000) | 6,100 | 18.0 |
※ 測定条件の一つである露光限界は、一般のほとんどの人が繰り返して露光しても健康に影響がないと考えられる条件に基づいています。ただし、この条件は光に敏感な人および後天的な要因で光放射に敏感になった人に対しては適用できません。
■ ご参考
LED照明の生体安全性について〜ブルーライト(青色光)の正しい理解のために〜(PDF:650KB)(一般社団法人 日本照明工業会へリンク)